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涙のふるさとのパリ <最終回> [とうふのかど in Paris]

2006.12.13-14 6日目~7日目(感覚的に日にちの境目無し)

ホテルの地味にウマイ朝食のパンも最後。
飛行機の出発が23時なので、夕方までパリの最後の一日を過ごす。
当初予定していたおみやげなどの買い物は昨日すべて済ませてしまったため、
とてもゆとりのある一日。

今日はひたすら徒歩。ホテルを出発する前、伊東さんが僕ら3人にお小遣い。切ない。
伊東さんとは夕方に別れるのだ。伊東さんだけは、今日からまた新しい旅が始まる。

別れる夕方まで、再び伊東さんの案内で新しいところを探検。

まずはオペラ座のロビーにおじゃまする。エントランスまでしか入れなかったが、茫然。
なんじゃこりゃ。劇場か。宮殿だろう。

正直、劇空間である実感が持てない。
キューブリックがここでお芝居をする、という絵を想像してみる。想像できない。
なんだか分からないけど、すごいことだけは分かった。

コンコルド広場を抜け、セーヌ川を渡って左岸へ。

穏やかな川風。フランス人ってセーヌ川みたいだなって、よく分からんことを思う。
左岸は伊東さんが一番落ち着くという下町エリア。昨日行ったデパートがあるあたり。
東京でたとえるなら文京区みたいな匂い。僕も右岸の華やかな空気よりずっと好きだ。


「ル・ボン・マルシェ」でパンを買い、近くの公園のベンチで4人。それからそばを歩いてる鳩。
僕らも鳩もみんなパリジャン、パリジェンヌ。遊具で遊んでいる子供たちの歓声。
いつまでも見つめていたい。

歩いて10分くらいのところにあるロダン美術館。
ロダンの家と庭がそのまま美術館になっている。なんじゃこりゃ。
展示物が全く無かったとしてもノープロブレム。

そよぐ緑、凛と立つ館の壁、穏やかな庭の芝生、そして真っ青な青空。

庭の隅の石段に寝っ転がる。
空と僕。当たり前だけど、空はどこにでも広がっている。この旅は何故かそればかりを思う。
出会って、別れて、また出会う、そしていつでも空が広がっている。
ロダンの彫刻は、僕にとってはサイドメニューだった。ロダン氏、スマン。
あまりにも僕好みの、優しく切ない、パリ最終日の昼下がり。


3人とはここで別れて、凱旋門まで一人ぶらぶら。
昨日の夜の散歩で正確に見つけられなかった、ダイアナさんの最後の場所を訪ねる。
しかし、地図にも載っていないその場所は今日もやはり見つからない。
分かっているのは、
1.エッフェル塔の近くで、2.セーヌ川に沿っていて、3.アンダーパスの道路、ということだけ。

セーヌ川にかかるアルマ橋を渡り少し広場になっている場所で、
後ろにそびえるエッフェル塔を見ながら一息つく。
やっぱり今日も見つからないか。また次に来た時に訪ねるとしよう。
ダイアナさん、安らかに。

<東京に戻ってその場所を調べてみたところギョッとした。
「見つからないか~」とエッフェル塔を見ながら一息ついたその場所の真下が、
まさにその地点であった。「導き」とは本当にあるのかも知れない。>

凱旋門の正面、シャンゼリゼ通りのベンチで市場とシゲを待ちながらパンをかじる。
すると、また道を訊かれる。やっぱ俺、もうパリジャンじゃん。けど、教えるサマはしどろもどろ。


凱旋門の下で、市場、シゲと合流。
パリの旅最後は、凱旋門の上に登って街を一望。
街を見下ろす2人の横顔、できれば絵に残したい。僕はどんなかな。



伊東さんの待つホテルへ戻り、重い荷物を持ち、オペラ座脇の空港行きのバスが出るバス停へ。
ざわざわ賑わう、パリの中心街をさっさか歩く。
なんだか、一人で早足で歩かないといけない気がして、誰と話をするわけでもなく、さっさか歩く。
イルミネーションが眩しい、高級デパート「ラファイエット」を横に見てバス停に。

ここで、伊東さんとさよなら。
なんだか、わざとあっさりと別れの言葉を言う僕。
僕らが乗ると、すぐにバスが動き出す。

バスの窓ガラスの向こうで、バスが動き出してもトコトコついてくる伊東さん。
声が届かないから手を振るしかない。
席を立ったら泣きそうなので、少し離れた席のまま手を振り続ける。
初日のパリの街の衝撃でもなく、4日目の一人旅の緊張でもなく、
突然こんな場面で気持ちがいちばんぐらぐらしている自分に驚いた。

この旅がひとつのお芝居であるなら、クライマックスシーンはきっと今この時なのだろう。。
どんなシーンにしよう。音楽はきっとBUMP OF CHICKEN『涙のふるさと』。
想像をめぐらすだけで嗚咽する機内の僕。隣でシゲも市場も寝ている。よかった。

大渋滞のパリ市街を抜け、空港へ繋がる高速をぐんぐん走る。パリがびゅんびゅん後ろに流れていく。ひよっこ3人でのパリ・シャルルドゴール空港。
「はじめてのおつかい」に出てくる兄弟のよう。
昨日あんなに苦労して手続きをした免税のカウンターがもう閉まっている。
が、もはやそんなことはどうでもいい。出発までの4時間を有意義に過ごしたい。
空港内にあるカフェで、昨日見たミュージカル談義が盛り上がる。
僕らはあれをどう役立てる。

この1週間で僕らは「メッスィ(=アリガトウ)」を何度言っただろう。そして、何度聞いただろう。

ニホンノウタデアリマスネ、「アリガトウ」ノウタ。
アレ、イイウタデスネ。マタナケテキマスネ。
ネガワクバ、コノヤサシイキモチノママ、ズットズットイキテイキタイモノデスネ。

アリガトゥー。メッスィー。

 <おわり>


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デパートへ行くという試練が襲いかかる [とうふのかど in Paris]

2006.12.12 5日目
今日もいい天気。とても暖かい。
みんな昨日の疲れが残っているはずなのに今日も朝早く行動開始。
市場、シゲと3人で朝から買い物。3人でなら、もう普通に出歩ける。

地下鉄を乗り継ぎ、左岸セーブルバビロヌにある「ル・ボン・マルシェ」へ。
伊東さんおススメのデパート。

品が良く、敷居は十分高い空気だが、なぜか親近感もあり落ち着く。
洋服のフロアに行くと衝撃。どれもこれもデザインも質もただごとではない。
服に無頓着な僕でさえ、女の服をじっくり見てしまうほど。
いやあ、たかがデパートだったけど素晴らしかった~。
まさか今日の夜、このデパートで試練が待ち受けているとは知らない僕。

買い物を済ませ、午後は凱旋門に近いジャック・マール・アンドレ美術館へ。
パリ初心者が行く美術館ではないようだ。

同じ「美術館」ではあるがオルセーとはまったく違い、昔の居館をそのまま美術館にした地味な存在。
が、ここはすごい。
自分が絵画の中に入ってしまったような錯覚にとらわれるほど、
踏みしめる一歩一歩、入ってゆく部屋ひとつひとつがドキドキの連続。
隣の部屋で何かを見上げている市場法子の姿も、ひとつの絵のよう。
美術館内にあるカフェ・ジャック・マール・アンドレで
伊東さんと待ち合わせをするつもりでいたがちょっと高かったので諦める。
伊東さんと合流。

考えてみれば、パリに来てまだ一度も「カフェ」に行っていない。

僕は毎日行くんだと思っていたから、そろそろどこかに行きたかった。
で、伊東さんが僕らを案内してくれたのはシャンゼリゼ通りに近い「PAUL」という評判のカフェ。
なんと、伊東さんのごちそう!
そして、た・か・い。
喫茶店ではない、カフェなのだ!ついに念願の「パン・オ・ショコラ」を食す!!
なんじゃこれは。

でかい。軽食ではない、ごはんだ。
そして、飲み物の「ショコラ」!なんじゃこれは。
日本のココアなどとは別物だ。
チョコだよ、チョコ、チョコだよ、チョコ。嗚呼、堪能。

話の流れで、午前中の買い物の話になる。免税についての話に展開。
なんと、僕の昼間の買い物は免税の対象になる金額だという。なんですと!
しかし、それは買った店で買った日に手続きを済ませないとならないという。なんですと!
夜の観劇までのシャンゼリゼ散策が一転、僕一人だけが「ル・ボン・マルシェ」にその手続きをしに行くことに!
突然の試練。
なにせ、免税の意味さえよく分からなかった僕、しかもフランス語でその手続きをするのだ。恐怖。
PAULを出て、姿を見せた凱旋門もシャンゼリゼのイルミネーションも全く心に響かないよ~。
ホテルへ当該のレシートと商品を取りに戻り、セーブルバビロヌのデパートへ。


地下鉄は夜のラッシュ。さらに気負けしそうになる。すかさずマドンナ出動。
最上階にあった窓口はすぐに見つかる。静かなカウンター。
まず、分からんことを聞かれる前に自分がフランスに来たのもこの店で買い物するのも初めてであることを告げろ、
という伊東さんのアドバイス通りに。よし、突破!!
フランス語で会話していたのをなし崩しで英語に。悔しいが止むを得ん。
そして書類無事完成!超ウレシイ!!!

現在18時すぎ。夜の観劇が20時半からなのでちょっと時間ができた。
よし、夜のパリを一人で探検してみるか。

夜のパリ左岸を一人で散策。
今現在、頭にインプットされている方向感覚と、街角に時々ある地図を頼りに、
なんとなくエッフェル塔まで歩く歩く。一人だとどうしても早足だ。
街灯がほとんどないので暗い場所は本当に暗い。
だからこそ、そっと浮かび上がる建物ひとつひとつがあたたかい。
今まで遠くに見えていたエッフェル塔の下まで来る。東京タワーに似ているが年季が入っている。

エッフェル塔近くにかかるセーヌ川の橋で一人川面を見ている。
ほっとする気持ち、不安な気持ち、優しい気持ち、淋しい気持ちが混ざったぞわぞわした感じ。
そんな気持ちをあらわす適切な言葉がない。言葉にはやはり限界がある。
ちょっと寒い風が吹いて、ふと後ろを振り返ると、
それまでオレンジだったエッフェル塔の明かりがそれはもうビカビカ輝いていた!
またもや涙。「一人でよく頑張ったな!」。
エッフェル塔が僕のためにそんなことをしてくれるはずはないのだが涙。
僕はいつでもいろんなものにあたたかく包まれている。
別にこのパリが特別なのではない。東京でもそうなのだ。
でも東京では当たり前で気づかない。パリはそのことを小声でそっと教えてくれる。

地下鉄を乗り継ぎ、今日の観劇の場所「ポルト・ドゥ・ヴェルサイユ」へ。
初めて行くところだけど、フツーにさっさか歩ける。
今日の劇場はおとといのモガドー劇場とは打って変わって近代的な多目的空間。
開演が近づきすでに熱気に満ちている。雑踏の中に伊東さんを発見。なんかお父さんを見つけたみたいなヘンな感じ。

今日のお芝居は「ル・ロワ・ソレイユ」という太陽王ルイ14世を描いたミュージカル。
完全なるエンターテイメント。ものすごいスケールだ。
言葉が分からない僕らでも十分楽しめるのは、相当な引力があるからだ。
場面の構成。歌の感情。それだけで流れは掴める。そして美術、衣裳、ダンスが圧巻。

キューブリックがこのエッセンスを吸収しアレンジするとどうなるのか。考えるだけでゾビゾビする。
しかし観後感は、相当興奮しているシゲとは違い、さほどのカタルシスはなかった。
テクニカル的なことがめくるめき過ぎていてそっちに気が行ってしまったのと、
エンターテイメントを観た時特有の「すごかった!!」けど「だからどうした」という感じ。
一時的に脳が興奮するのだが、心が抉られないから何日か経つとまっさらになってしまうことが多い僕。
今日のもそんな感じ。きっと、こういう表現が好きなのだ。けど、好きだからこそ納得いかない部分がイヤなんだ。
興奮させてくれてなおかつ心がえぐられるもの。キューブリックがやりたいエンターテイメントはそれだ。
盗むものはとことん盗む。

カーテンコールでは、なんと写真撮影がOK!
みんな舞台の方へ突進してゆく。
伊東さんは真っ先に突撃していった。南無~。
シゲもそれに続いて突撃。南無~。
最後列好きの僕は、ここぞとばかり人波に逆行して広い客席の最後列へ。
ものすごい圧力で満ちている舞台とそれに刺激されている客席全体を見渡して心に焼き付ける。
見ていろ。<←なにをだ>

終演後、伊東さんとシゲがニコニコで戻ってくる。
僕が(おそらく)フツーな感じで後ろから戻る。
具合が悪くなってしまった市場が通路で一人たたずんでいる。
おかしな4人。なんだか、そのことがいちばん心にほっこり来た深夜のメトロのひととき。
いよいよパリ最後の晩。24時間後にはもう飛行機の中。


<あ~あ、流出。実は僕らはこういうワケだったのですよ。なーんちって。>


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フランスの風に出会う旅 [とうふのかど in Paris]

今日のは大冒険の一日の為、結構長いです。

2006.12.11 4日目
ついに来た。まる一日一人で出かける。
昨日まで、市場やシゲを「一緒に行かないか」と誘ったりして
「こえー、こえー」ばかり言っていたが、今朝はもう言わない。
敢えて、そう意識もしていた。口にしてしまうと本当にまた怖くなってしまいそうだったから。小心だ。
美術館好きの市場法子はルーブル美術館へ、シゲはモンマルトルというパリの下町へ。
そして、僕は一人パリから抜け出し、「トゥール」というフランス中央部のエリアにある古城「アンボワーズ城」へ。
正真正銘「遠出」だ。

昨日までと同じ手ぶら。
所持品はパン、ワインの小瓶、会話集、切符を買うためのメモ、デジカメ、メモ帳、そして音楽。
音楽なんて本当は必要なかった。パリの音、周囲の人の会話をなるべくたくさん聴きたかったから。
けど、いざ不安になった時のため持っていく。中にはマドンナがセットされている。

シゲより一足先に出発。なにしろ、なるべく早く出発しないと往復にどれだけ時間がかかる場所なのかすらよく分かっていない。
ルーブルに行く市場とは地下鉄の駅がある交差点で別れる。
さあ、一人だ!行くぞー。

まずは地下鉄を乗り継いで、TGVが出発するターミナル「モンパルナス」へ。
さっそく、マドンナ出動。だって周り黒人だらけ。どうして黒人の人って怖く見えるんだ。
地下鉄は朝のラッシュ。満員の状態。
モンパルナスに無事到着。地下鉄はもう楽勝だ。モンパルナスは大都会の駅。とってもキレイ。

だが、ここからが大変だった。

SNCF(フランスの国鉄)の切符売り場でTGV(フランスの新幹線)を含めた往復の切符を買う。
行程を細かく書いたメモを見せて、「じゅぷらんさ、しるぶぷれ(これをくださいな)」。
これなら大丈夫だろう。あとは言われた金額を払えばいいのだ!
が、駅員のお姉さんの切り返してした言葉がまったく分からない!!
困ったおねえさんが液晶の画面を見せる。
どうやら、帰りはちょうどいいTGVがないので急行でいいですか?とのことだった。
そんな言葉分かるか!
画面を見てようやく理解した瞬間「うぃ、うぃ(はい、それでいいです)」。
さらに何か理解不能な言葉が来たが、もうかまわない、すかさず「うぃ」。
この内容は夕方になってようやく知ることとなる。
後ろに並んでたお姉さんにも助けられちゃったりして、恥ずかしかった~。けど、ありがたかった。
駅員さんにも、後ろのおねえさんにもありったけの気持ちで「めっすぃ、ぼくー!(どうもありがとう!)」。


とにかく、やっとの思いでチケットをゲット!
今まで手にしたどんなステキなチケットよりもズシリと来る宝物のようなチケット。
大きい券面にたくさんのことが書かれているそれを、僕は駅のベンチで何度も何度も見た。


出発まで1時間ある。ちょうどいい、モンパルナス駅を探検だ。
昔、おじいちゃんの手を引っ張って、上野駅をこうやって上がったり下がったりしたっけな。
そして僕は31になって一人でモンパルナス駅を探検している。三つ子の魂、百まで。
おじいさんになったら、僕はどこの駅を探検しているのだろう。

トイレもチャレンジ。チップが必要なのは知っている。が、入り方も払い方も分からん。
掃除のおばちゃんに1ユーロ払って10セントのおつり。140円もするのか~!
そして今度は出方が分からない。このバーはなんだ。ボタンを押すと出られるらしいぞ。んー、もう!
けど、平気だもん、だってTGVのチケット持ってるんだもん。


10時50分発のボルドー行きTGV。30分前に乗る。
2等車が日本で言う普通車。外はゴツイが、中は新幹線の明るい感じ。
なんだか僕をとてつもないところへ連れていってくれるかのような、出発までの高揚感。肩がこる。
ちょっと上品なそぶりをしてみる。だってTGVに乗ってるんだもん。

まだかなー、と時計を見た瞬間、スーッと動き出す。来たー!
駅にたくさん並んでいるTGVの間を、僕の乗る列車が抜け出す。
昨日の蚤の市で来たヴァンブーを一瞬で通り過ぎる。
半地下のような線路をしばらく走ると、広がった景色は早くもパリの郊外。畑が見える。
パリを出て20分しか経っていないのに、草原が広がる。びゅんびゅん走る。
昔、外国の絵本で見た風景。どこまでも続く草原。今日のこの選択は成功だった。
おとといオルセー美術館で見たシスレーの絵のような優しく切ない風景たちが今ここにあるのだ。
わずか40分でトゥールの一つ手前の「サン・ピエール・デ・コール」に到着。下車。

ここからは普通の電車で「アンボワーズ」へ。駅名が小さいから気をつけていないとヤバイ。
アンボワーズに近づくにつれ、景色はさらに素朴さを増す。
フランス最長の大河ロワール川が姿をあらわす。

そして、列車はついにアンボワーズに停まった。降りる。
肌寒い。今、僕は世界の車窓にいる。石丸謙二郎の幻聴は、、聞こえない。
ホームで深呼吸。なんだ、この透き通った少し青い匂いのするやさしい空気。

淡い黄色のかわいらしいアンボワーズ駅の駅舎を出ると、そこは静かな静かな住宅街。
人通りはほとんどない。日本で駅前によくある周辺地図などはない。
ガイドブックも持っていないので、勘で歩く。
7~8分住宅街を歩いていくと、いかにも川の傍らを走る通り道に出る。当たりだ。

ロワール川が目の前に広がる。川の幅は100メートルくらい。
雄大な流れ。ゆったりと流れている。花巻で見た北上川の流れによく似ている。
そして川の向こう岸には、ジャジャーン!「イラッシャーイ」とばかりにアンボワーズ城が!
はやる気持ちを抑えて、けれどどうしても早足になってしまって橋を渡る。

城の麓にあるおみやげ屋に入る。
お店のお姉さんに調子に乗って話しかけた言葉が通じない。
「このお城はとても美しいですね!」と伝えたかったのに!!
どうにかして会話をしようとしたがダメだったので、伊東さんに教わった最後の切り札
「ジュヌコンプロンパ、ルフランセ、アンプ~(私は少ししかフランス語が話せません~)」を繰り出す。
すると、お店のお姉さん、大ウケ。言い方をちょっと工夫するだけで効果絶大。
どうして、たかがこんな出会いが、こんなにも宝石のようなんだ。

買い物を済ませて、お城に登る。
高い壁の通路を登っていくと、城内の庭に出た。
僕の他には誰もいない。風が冷たいけど、寒くない。
そして、少し歩いていって広がった景色……。

なんじゃこりゃ。

鳥になりたい。風になりたい。幽体離脱したい。なんだこりゃ。
この風景しっかりカメラに残さなきゃ。
が、あろうことかデジカメの電池が切れた!!もういい!心に焼きつける!
あっ、いいこと考えた、絵を描こう!!
せっかく広いお城もほとんど周らずにひたすらスケッチスケッチ。

1時間でも2時間でも眺めていたい景色だが、帰りの電車の時間が迫ってきた。
城を降りようと庭を歩いていると、ひときわ強い風。
思わず両手を広げる。
僕はこの若草いろの空気になれただろうか。
そうか、僕はきっと風になりたいのか。
風になりたくて、芝居をしているのか。

さっきのおみやげ屋に行く。お城で描いたスケッチを見せたくて。
ううん、きっと「さよなら」が言いたくて。<また泣けてくる>
お姉さんは僕の絵を見るなり「オー!トレビアーン!」。
本当にそう思ってるかどうかは分からないけど、僕の心に深く沁み入る一言と彼女の笑顔。

お城を背に橋を渡りながら、切なくて、切なくて。全部が切なくて。
この風も、このどこまでも広がる景色も、耳の奥に残る彼女の言葉も。
出会う。別れる。生きることはこの繰り返し。きっとまた出会う。
次までにもっともっとフランス語を覚えてみせる。そして、今日のこの嬉しかった気持ちを伝えてみせる。

アンボワーズから急行でパリへ。列車は平気な感じで40分遅れ。
ガラガラのボックス席で、暮れゆく美しい景色を眺めながら、今日の想いをペンにのせる。

出会う。別れる。出会う。別れる。
今、僕が知っている人にも、これから出会うまだ知らない人にも、僕は出会う。
みんな生きているんだから。

朝、気負けしないように聴いていたマドンナのアルバムの後には、
BUMP OF CHICKENの音楽「涙のふるさと」が入っていた。
別に好きなわけではない。
時々「あ、なんとなくいいんじゃね?」と思わせる瞬間がなくはないが、別に思い入れはない。
彼らのことが好きな市場法子との話題のひとつにでもできるかと思って、なんとなく入れておいただけ。
それなのに彼らは、流れてゆく景色たちと共謀してゲリラ的に僕を襲ってきた。
あまりに今日の僕の一日、そこで感じたこと、それらがこの曲とかぶり過ぎている。

「見つけなきゃね、消えた涙の足跡
彼の歩いた道を逆さまに辿れば着くはずさ。
見つけなきゃね、どんな淋しい空でも
彼も見てきた空だと知れば一人じゃないはずさ。」

2時間乗った列車からの景色はいつしか、草原からパリ郊外の街に変わっていた。
通過する駅のホームには、仕事や学校を終えそれぞれの家へと急ぐ人たちがあふれる。
遠く向こうにはパリのオフィスビルの明かり。帰ってきた。
今日、若草いろの風に一人会いに行った僕は、パリに帰ってきた。
パリには僕を待ってくれている人たちがいる。そこへ帰ってきた。
終点に近づく列車は、逆にグンとスピードを上げる。
列車の中、淋しくポツネンと居る僕。けれど、その僕の中はとてもあたたかい。ありがとう。
メモ帳にペンを走らせながら、ついに涙があふれる。誰もいないけど恥ずかしい。

<ちなみにほぼ1年ぶりに読んだこの日のこのメモ。
載せるのを躊躇した。超ピュアな31歳だこと。ピュアでプアー。>
 
急行はパリの駅に滑り込む。今朝来たばかりのはずなのに、とても新鮮な気持ち。
それもそのはず、僕が乗った列車が到着したのは、今朝TGVに乗ったモンパルナス駅ではなかった!
切符を買う時に、もしやお姉さんはこのことを言っていたのか!!
僕はそれを理解できないまま「うぃ」と言ってしまったということか。
ここはパリなのか!?非常に焦る。いや、パリのはずだ。
フランスの路線網は基本的にパリに集まることになっている。
僕が着いたのはオルステルリッツというターミナルだった。
新宿に着くつもりが渋谷に着いてしまった感じだ。大丈夫だ、地下鉄がある。地下鉄は夕方のラッシュ。
途中、2度も道を聞かれる。手ぶらだからか、それとももはやパリジャンにしか見えないのか。
いずれにせよ、僕はパリ4日目のひよっこ。
一度はしどろもどろに教えて差し上げ、一度はまたもや「ジュヌコンプロンパ、ルフランセ」を繰り出したのだった。

そして無事、ホテルに到着。
颯爽と戻ったつもりだけど、内心は「帰れたよ、お母さん!!!」。
しかし、伊東さんに抱きつくわけにもいかず。アゴ髭が痛そうだし。
けど、部屋にいた3人が家族のようにさえ思えた。
市場もシゲも、今日一日の自分を熱く語る。それぞれ少し自信をつけた様子。
きっと僕もかな。

今日も寝る部屋は市場法子と2人。ボジョレヌーボーを寝酒に、ダラダラと話す。
もうこれが当たり前の夜。もうなんだか普通。妹がいて、2人で暮らしたらこんなふうだろうか。


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蚤の市とスワンレイク観劇 [とうふのかど in Paris]

たまに注意書きを入れておきますが、
今、僕はパリにいるわけじゃありません。
1年前の初海外パリ、初パリでの格闘を紹介している特集です。
そして自分自身のメモをそのまま載せているので、読みづらいです。ご容赦。

2006.12.10 3日目
6時半に起床。
疲れているはずだが、体が時間を惜しんでいるのがわかる。

午前は市場法子が行きたがっていたパリ南部ヴァンブーで週末開かれる蚤の市。
要はガラクタ市。正直なところそんなに期待してなかった。
が、市の露店が並んでいるのを見た瞬間、
「すみませんでした…」。

狭い通りを人が行き交うので用心が必要。
おもちゃ、インテリア雑貨、時計、食器、絵本、服、家具、わけのわからない何か。
芝居の小道具で使ったらカッコいいだろうなと思う品物ばかり。
結局何も買わなかったけど、その分お店の人たち、お客さんたちとのコミュニケーションを楽しむ。

ここの楽しさは「ものを買う買わない」ではない。出会いを楽しむことだ。
市場法子は、やたら値切って何かを買っていた。やるじゃん。なぜか注射器も買っていた。
一方、シゲはお店の人に話しかけようと勇気を振り絞ったりひるんだりを繰り返していた。気持ちはよく分かる。
僕もアタックする前に準備をしっかりしようと頑張るタイプ。
ただ、僕の場合はその人を前にすると突っ込んでいってしまうところがシゲと違うところ。

午後はパリ中心にある高級デパート「ラファイエット」の裏手にあるクラシカルな劇場「モガドー」で観劇。
演目は「スワンレイク」。なんと前から3列目。
3階構造の客席内部は圧巻。ずっと眺めていても飽きない装飾。こんな劇場があったのか…。

開演が近づくと周りはフランス人でいっぱい。
子供もおばさんもマダムもおじさんもマドモアゼルも偏ることなくみんないる。いいね。
観劇が生活の中で当たり前の要素なんだね。

ものすごく緊張する中、遂に開演。
オープニングのメインテーマで隣の伊東さんが既に泣いている。
!!!!!。少し早くないか??
まるで僕にとっての「ALWAYS」の状態だ。伊東さんしっかりしてくれ。
終わるころにはどうなってしまうんだ。僕はどうすればいい。
バレエだから言葉は何もない。体だけですべてを表現。なのにしっかり伝わる。ずっと飽きない。ていうかおもしろい。
なんじゃこりゃ。
情熱と技術の両立。どっちが引っ込んでも絶対に成り立たない。
僕らは「せりふ」という説明に甘えて、どちらもおろそかになっている。
情熱と技術。当たり前のこの2つ。
伊東さんはそのあとも頻繁に嗚咽。観劇の集中力がものすごいことになっているのだろう。
その点、僕はいつも常に散漫にいろんなところを気にしながら、
時に観客たちの様子を眺めながら見てしまう。


夜は高級デパート「ラファイエット」食品売り場で買い込み、ホテルの部屋で食事。
準備や片付けなど、市場はよく動く。そしてシゲはすぐ寝る。
風呂に入り、歯をみがき、服を着替え、寝る前に顔を洗い、布団はしっかりかけなければ絶対に安心して眠れない僕にとって、
シゲの行動パターンは信じ難い。いつもいつの間にかそのままの姿勢で寝ている。

風呂に入り、歯をみがき、服を着替え、寝る前に顔を洗い、今日も寝る部屋は市場法子と2人。
遠距離。大きいダブルベッドのせめて中央で寝たらどうだ。なぜ端なんだ。
<昨日まで載せていた寝る前の写真が今日無いのは、特に理由はない。本当だ。>

いよいよ明日は、それぞれが一人になって、それぞれのパリを過ごす。怖い。

<というわけで、ボンニュイ~>


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セーヌ川散策とオルセー美術館 [とうふのかど in Paris]

2006.12.9 パリ2日目

8時前に起床。地下1階にあるカフェラウンジで朝食。
別になんてことないパンがうまいこと。

今日はとりあえずパリの街を知ろうということで、
当初は観光バスに乗ってメジャーな場所を巡る予定だったが、なんとなくイヤな感じがして、
行けるポイントが少なくても、自分たちの足で歩いて、ゆっくりの速度でパリを感じてみたいと思い、
伊東さんの案内で歩きでセーヌ川沿いをオルセー美術館まで歩くことに。
その勘はズバリ当たることになる。
昨日の大嵐はどこへやら。空一面真っ青な快晴。
何しろ僕と伊東さんは強力な晴れ男。

街歩きはなんてったって手ぶらに限る。
コートのポケットにはデジカメとワインの小瓶と会話集だけ入れて出発。
ちなみにワインは景気づけのおまじない。さすがは臆病者だ。
土曜の朝だけに街は閑散としていて、ゆっくり街並みを楽しんだ。

目に飛び込んでくるものすべてが、かっこいい、かわいい、ステキ、おかしい、おもしろい、美しい。
すごい国だ。
日本の街もこうでありたい。と思っていると、足元には犬のうんこ。パリだ。
伊東さんに「歩き方がいい感じ」と言われ、意外。ワインが効いたか。いえ~い。

通りかかった教会は、ちょうどミサが始まるところ。
それなのに神父さんは異教徒の僕らを中へ入れてくれた。
日本のお寺に入った時に似た、が、それとは違う厳格さ、かつ優しい空間。
たったの2~3分で完全に圧倒された。本物にはかなわない。

僕らはお芝居という「嘘」をやっている。
「本物」がある世界に生きていながら「嘘」をやることの覚悟。
「キミらにはその覚悟があるかい?」。言葉が出なかった。

その後、通った「ポンピドゥーセンター」という施設の前で、
自分のほうから他の国からの観光客に声をかけて写真を撮ってあげる。
けどまだ少し気後れ。少しだけ前進。
そこのすぐ近くにあるパリ市役所がまた荘厳な建物。
その前にはアイスリンクがあり、大人も子供も朝からスケート。
子供たちの無邪気な顔はどの国も変わらない。それなのに大人になると、こうも違う。


そして歩いていくと、それまでひしめいていた建物がスーッとなくなる。
セーヌ川だ!
パリには欠かせない優美な存在。


そしてシテ島に立つノートルダムの聖堂。
すごすぎて、すごさが分からない。きっとものすごいのだろう。でもそれが分からなかった。


サンルイ島に渡って、市場がどうしても行きたいというパリで一番というアイス屋を探す。
番地がちょっと違うけど発見!
が、閉まっていた。ショックそうな市場。気持ちは分かるがそこまでショックか。
一応、正しい番地を探してみようとさらに歩く。
すると……、あった!!
さっきよりもかわいい店構え!!そして開いている!!
ものすごく嬉しそう。よかったね。
で、そのアイスがうまいこと。2ユーロ(およそ300円)でこの味か。
2つめのマンゴー味をがっつく伊東さん。一口もらう。畜生、マンゴーのほうがうまかった。

セーヌに沿って、オルセー美術館へ向かう。
川沿いは絵画などの露店が並び、行き交う人たちみんなウキウキ。

今朝のパンを持ってきていたので、歩きながらカジる。お行儀悪いけど、なぜかイケてる気がする。
そしてワイン。んーー、パリジャン。
<↑この記述、僕の名誉のために飛ばそうかと思ったけど
載せなくてはカンジが伝わらないと思ったので正直に載せます>。

結構歩いて辿り着いたオルセー。
美術館でも手荷物検査がある。シゲはいつも何故かひっかかる。
絵にはあまり詳しくないが、感覚的にドガとシスレーに釘付け。
どうやら僕は印象派の「光」や「風」を感じる絵が好き。
描き手の、その風景、人々に対する愛や情熱が伝わってくる。
風景や人が美しいのもあるかも知れないが、僕の心に来たのは描き手の想い。
正直、オルセーは僕のペースでは1週間かかる。あと何度来ることになるのだろう。


伊東さんは一足先に戻ったので、帰りは3人だけで初めてパリを歩いた。割りとフツー。
思ったよりも早く馴染めそう。
今日もまた部屋でささやかな晩餐。
パリの空気に慣れてきたとは言え、この晩餐の安心感は、まだまだ僕には必要。

今日も寝室は市場と2人。昨日と同じ遠距離。まだ嫌いなのか!
ふだん稽古場では話さないようなことを話しながら、1日が無事終わった。

<というわけで、今日はボンニュイ~>


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緊張と衝撃の連続 [とうふのかど in Paris]

昨日お知らせしたとおり、今日からは緑川フランスから帰国1周年を記念して、
現地の写真入りで「とうふのかど in Paris」を連載しまーす!
10割の方々が「何を大げさな…」と思っていることでしょうが、
2007年の僕にとって最大のキーは、昨年末のフランスでの1週間なのです。
もしかすると今公演『誰ガタメノ剣』のキーワードがこの1週間に紛れているかも知れません。
いや、紛れている確信があるからこそ、今ここで紹介したいと思うのです。

現地でのメモをそのまま書き記しているため、
一部テンションがおかしかったり、文章自体が読みにくかったりするかも知れませんが、
現地での僕らの苦悩と感動を少しでも感じてもらえたら嬉しいです。
というわけで。いざ。

12/8 1日目
5時起床。5時40分出発。持ちなれない荷物を転がして東京駅へ。
6時30分発の成田エクスプレス。周りは日本人が多いがすでに国際的匂いが。
座席番号の配列がふつうと違う、なんじゃこりゃ。早くもびびる。
後方に流れてゆく夜明け前の東京の景色が愛おしい。

成田空港は予想外のど田舎にあった。
が、駅と空港内だけは、それまでの景色とはまるっきり違うピッカピカのビル。
普通を装おうとしても緊張感が高まる。
市場とシゲとは、ここで待ち合わせ。二人ともいつもとは違う感じ。
チケットカウンターで慣れないチェックインをしていると、伊東さんを発見!
いつもなら「うわ、来たぞ」と思ってしまう人が今日ばかりは妙な安堵感。

手荷物検査の後、出国検査。突然、場の空気が変わる。
が、意外とすんなり通過。高校生の団体のガヤガヤが微笑ましい。
そしてついに搭乗。9時20分発エールフランス279便。スチュワーデスがフランス人!! 急に緊張。
初の「ボンジュール」。かまなかった。

伊東さんからは
「ジュヌコンプロンパ、ルフランセ、アンプー(私はフランス語が少ししか話せません)」
という魔法の言葉を教わる。
この言葉を気持ちをこめて残念そうに言えば、
親切な人が多いフランスではだいたいの状況は打開できるという。お守りのような言葉。

座席は4人並び。僕は窓側。伊東さんが隣。通路を挟んでシゲと市場が並び。
前も後ろもフランス人。アナウンスもフランス語。
飛行機が動き始めるまで、小さな窓から見える景色を見ながら覚悟を決める。
「まあ、何が起きてもいいや」という静かな時間。
伊東さんは当然慣れた様子。
初飛行機初海外のシゲも割りと普通。さっそくゲームなんかをやっている。
市場も割りと普通。
緊張してんの俺だけか。

9時20分、ゆっくり動き出す。機体は滑走路の端らしき所でピタリと止まる。
大韓機がすぐそばを飛んでゆく。この次か。ゆっくり旋回。
さあ、来た。タイヤが地面を離れた瞬間、女子高生たちの悲鳴。やめろ!
離陸成功。下を日本の景色がゆっくり流れてゆく。田んぼや畑、小高い山。地味だ。それがまた愛おしい。

航路は北へ。新潟まで一瞬。日本海からロシアへ。
日本ではない土地を見るのは初めて。どうも実感がない。そのうち雪原があらわれる。シベリアだ。
このあたりで食事の時間。なんとシャンパンが登場。そして機内食はフランス料理。
料理に無頓着な僕がめずらしく興奮。やたらウマイ。全部ウマイ。

食後しばらくすると、窓を閉められる。寝ろということか。
外は延々ロシアの大地。まるで東海道新幹線に乗っているときの静岡県だ。
意外にも機内で眠ることができた。が、うつらうつらの2~3時間。


飛行機はほとんど揺れることなくヨーロッパへ。眼下は一面雲。
そしてその向こうに真っ青な空と左弦の月。
二度目の食事のあと、遂に着陸態勢へ。

「天候がすこぶる悪く着陸が難しい」というアナウンス。
何言ってんだよーー。日本語で訳さなくていいよ。
着陸地点が変更になる可能性もあったりしたが、予定通りシャルル・ド・ゴール空港へ着陸することに!
眼下の厚い雲が間近に近づく!滑るように雲の上を飛んでいた機体が「エイッ」と角度を下に向ける。怖い。しかも揺れる。
高度の数字がどんどん下がる。速度も下がる。
降りても降りても雲だらけ。800mまで下がっても雲。
大丈夫か。耳は痛いし、酔ってきた。そのうえ怖い。
いいから諦めて他のところへ降りてくれ。
が、「バーッ」と視界が開け、緑の風景がすぐそこに広がる。
「フランスだ~!」という感動などカケラもなく、「雲から出た!」という安堵感。
予想していた刺激とは、まったく違う牧歌的な風景。

そして「ゴゴーッ」という車輪の音。大好きだ。地面大好き。
無事到着したものの、駐機するスペースがない。
というのも悪天候のため離陸すべき飛行機が出ないのだ。そんな状況を降りてきたのかよぅ!!タラップで降りる。
初めてのフランスの風!違うよ~、何かが違う!

空港でオペラ行きのバス停を聞くために初質問!「ドゥー(2番)」。ヤッター。
そして初めてユーロを使う。2両編成のバス。
高速道路から見えるパリ郊外の夕景にすでに胸いっぱい。

しかし、パリ市内はこんなものではなかった!

オペラ前に到着。すでに6時。人が多い!しかもほとんどフランス人!!

女の人は美人ばっかりだ。みんなマドンナに見える。もうマドンナだらけだ!!!
街中全部が東京とは違うのに、それらが意外とフツーにも感じられて安心。

ホテルへ直行。颯爽とフロントの人に話しかけるが、見事挫折。即伊東さんに助けてもらう…。
ホテルは落ち着いた感じの二つ星。シンプルでそれがまた良し。

僕と市場とシゲ3人で近所のスーパーへ買い物。
たかが買い物なのにヘンな高揚。「スーパーで買い物だよ!」。
リンスがどれだか分からない。


寝てしまったシゲを除く3人で、買い込んだ食材を囲みパリ初めての夜食。楽しいね。

寝室はその部屋とは違う部屋で市場法子と2人。市場ファンの方、申し訳ありませんね~。
2人とも部屋の隅と隅で離れて寝る。逆におかしい距離。そんなに俺が嫌いか!
そんなことを考えている間もなく、一瞬でオチる。

<ボンニュイ~(おやすみなさい~)。>
※写真は就寝前の市場法子の背中。壁に映る影が良し。。


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